なぜ不動産投資は多くの投資家から支持を得ているのでしょうか?特に本業を他にもつ投資家から人気が高いのが特徴的です。元銀行員の視点からメリットとリスクについて考察します。

不動産投資は銀行から融資が受けられる

投資の対象は世の中に数多くありますが、金融機関から融資を引ける投資対象は基本的にありません。私が在籍していた金融機関では、投資案件にはお金は貸さないという原則があります。投資信託を買いたいのでお金を借りたいと言っても銀行は一切融資しません。バブルの痛い経験もあり話にもならないということです。しかし不動産投資には銀行はお金を融資してくれます。なぜでしょうか?

それは不動産自体に価値があるからです。不動産に所有権の登記をし、銀行が抵当権をつけることにより借り入れが可能となります。金融機関が不動産は実物資産としての価値を認めているからです。過去のリーマンショックやITバブル崩壊などで株式市場は大混乱となりましたが、不動産については安定的な運用ができていました。2020年においても新型コロナウイルス発生時も一時的に株式市場は大混乱となりました。そのような時でも不動産は居住用不動産を中心に比較的安定的に運用ができております。資産形成の商品が株式投資のように日々変動するようであれば、本業の仕事も気が気ではなくなりますが、安定した価値を維持できる不動産投資は日々の相場に左右されず精神的な余裕をもてることも魅力ではないでしょうか?

不動産投資には数多くのメリットがある。

それだけではありません。ざっと考えても以下の通り5つのメリットがあります。

  1. 家賃収入により自分自身が働かなくても返済が進むこと
  2. 不動産を高値で売却できる可能性(キャピタルゲインの可能性)
  3. 生命保険の効果(不動産投資に付帯される団体信用生命保険)
  4. 節税効果(主に減価償却費による節税効果)
  5. 相続税対策効果(主に資産の圧縮による節税効果)

私が特に不動産投資でメリットがあると思うのは1です。家賃収入により自分自身が働かなくても資産形成できることにあると考えております。その一方で多くの借金(借入)をすることに抵抗を感じる方も多いと思いますが、借金にはいい借金と悪い借金があるのはご存じでしょうか?悪い借金とは、例えば返済の目途が立たない借入つまり生活が苦しいから借りる、嗜好品を買いたいから借りる等給料から返済することを繰り返すと返済出来ない借金です。良い借金とは借りたお金の対象が利益を生み出す借金です。これなら自身の給料から返済することが少なくなります。

不動産投資のリスクとは?

今までは投資不動産のメリットを言ってきましたが、やはりリスクは存在しています。

以下のリスクが代表的なものになります。

  1. 空室リスク
  2. 金利リスク
  3. 賃料下落リスク
  4. 修繕負担リスク等々

これらのリスクを軽減する方法は多くあります。ここでは詳しく申しませんが、最大のリスク軽減対策は信頼のおける不動産業者と付き合うことであると私は考えております。

リスクをしっかりと織り込んだ長期の計画を一緒に検討してくれる担当者、社長がいる会社です。規模が大きいから、売り上げが大きいから、利益が出ている会社だから良いというわけではないと銀行時代の経験を通して実感しております。

最後になりますが、わが国は新たな菅政権となりましたがやはり大きなリスクはプライマリーバランスが崩れていることです。収入が40兆、支出が100兆、借金が1,000兆の国に暮らしている我々は自助努力が強く求められています。

どうか安定した生活、老後のために投資を始められるべきだと思います。

川口章平川口 章平

大手銀行グループで役員を務め現在では多くの企業の経営コンサルティングを中心に行っている。銀行員時代に数多くの不動産投資案件を実際に手掛けてきた経験を活かし実践的なアドバイスを行っている。